プロ野球12球団合同トライアウトが名称変更
合同トライアウトはこれまで日本野球機構(NPB)と共催で「12球団合同トライアウト」と言われてきました。
2025年は、日本プロ野球選手会(選手会)が主催となり、同会が掲げる「セカンドキャリアの支援」「再挑戦の機会確保」という理念のもと進められ、「エイブル トライアウト2025~挑め、その先へ~」とい名称へ変更されました。
戦力外通告を受けた選手や、所属球団が契約更新をしなかった選手が、12球団(セ・パ両リーグ)にアピールを行い、再契約や新天地を目指すための入団テスト・アピールの場です。
また、正直現役続行は叶わないだろうと察している選手も、自分の中で一区切りつけるために参加したり、引退試合ができないので最後の姿を応援してくれた家族などに見せるために参加する選手もいます。
通常のオフシーズンの一環として「最後のチャンス」「再挑戦の舞台」と位置付けられていて、参加する選手にとっては“区切り”“引き際”ともなり得る、大きな意味を持ったイベントです。
合同トライアウト 参加条件
参加できるのは主に以下のような人たちです
- 各球団から戦力外通告を受け、契約更新・再契約がなされなかった選手。
- 過去にNPBで登録・出場経験がある選手(つまり “元支配下選手” や “元育成選手” など)。
- 外国人選手・育成出身選手も、参加資格を満たせば出場可能なケースがあります。
参加回数の上限としては、通例「原則通算2回まで挑戦可能」というルールが認知されています(ただし細かな運用・年による取り扱い変更もあり)。
合同トライアウト 内容
当日の実施形式や流れは以下のようになります(過去例ベース)。
シートバッティング形式
- 打者・投手共に実戦やゲーム形式ではなく、スカウト・編成部門が視察・評価しやすい形式で実施されます。
- 守備・走塁も含めて評価される年もありますが、基本的には打撃・投球が主体となります。
投手の流れ
- 打者数
目安として6〜7人。 - カウント
多くの場合は0-0からスタート、普通の打撃機会と同じ方式。
打者(野手)の流れ
- 打席数
目安として2~3打席
※打撃機会の前後には守備・走塁チェックが実施される年もありました。
評価ポイント
スカウト・編成側は、それぞれの視点で評価し、球団の編成上補強に値する選手を評価します。
基本的には2軍でもよく見てきた選手であることが多いので、大体どのような選手なのかは把握してることが多いでしょう。
ですので、獲得する側は最終確認というステータスになると思われます。
合同トライアウト終了後のスケジュール
トライアウト終了後から契約・通知に至るまでの流れは、次のように整理できます。
- トライアウト当日(11月12日)終了 → 各球団スカウト・編成部門で評価・協議。
- 翌日〜数日後:球団側がいいと思った選手に対して 直接連絡(電話が主流)を行う。書面通知・メール通知のケースもあり。
- 契約の打診・交渉:条件提示、所属先・育成契約か支配下契約か、条件面・役割面の説明など。
- 契約成立・入団発表:合意後、球団が正式発表。選手は翌年春季キャンプから合流というパターンも多い。
- 応募者・契約なし選手:NPBとの契約が成立しなかった場合、独立リーグ・社会人野球への移籍や引退となる。
通知時期については当日~翌日、1週間ほどかかることもありますが、11月中旬~下旬までに結果が出ると思われます。
プロ野球12球団合同トライアウト 過去の合格者
過去の合同トライアウトでは、参加者数に対して契約に至る選手の割合は非常に低いですが、再起を果たした成功例もあります。
直近5年分(2020〜2024年)の 12球団合同トライアウト の「参加者数/合格者(NPB球団と契約を結んだ選手数)」を可能な範囲でまとめました。
※過去の報道などをもとにした情報のため多少の誤差はご容赦ください。
| 年度 | 参加者数 | 合格者数 | 合格率(概算) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2020年 | 56人 | 6人 | 10.7% | コロナ禍で無観客開催。 |
| 2021年 | 33人 | 1人 | 3.0% | 選手数減少が話題に。 |
| 2022年 | 49人 | 4人 | 8.2% | 有観客での開催再開。 |
| 2023年 | 59人 | 2人 | 3.4% | 非常に低い合格率となった年。 |
| 2024年 | 45人 | 3人 | 6.7% | 通算2回目等のルール議論も出てきた。 |
直近5年では参加者数に対しての契約されたいわゆる合格者が2020年を最後に10%以下にとどまっており、とんでもなく狭き門ということがわかります。
今年(2025年)の合同トライアウトの日程・観戦情報
今年の「エイブル トライアウト2025~挑め、その先へ~」の概要は以下の通りです。
- 日程:2025年11月12日(水)開始予定(午前10時30分からシートバッティング開始)
- 予備日:11月13日(木)※雨天等の場合に室内実施の可能性あり。
- 会場:MAZDA Zoom‑Zoom スタジアム広島(広島県広島市南区)
- 観戦:観客が入る形でチケット販売が予定されています。
公式案内では「観戦方法、ファントモ会員特典・SNS投稿ガイドライン」などが決まり次第案内されるという記載があります。 - 放送・中継:現時点で具体的なテレビ/配信チャンネルの公式確定発表までは出ていません。
今年は選手会主導という運営形態の変更もあり、前年までとは少し趣向・仕組みが変わる可能性があります。観戦希望者・報道希望者は「公式サイト/選手会発表」を逐次チェックするのがおすすめです。
プロ野球12球団合同トライアウト 名称変更 エイブル トライアウト2025~挑め、その先へ~ まとめ
プロ野球12球団合同トライアウトは今年から新たに選手会が主催となり、公式名称を「エイブル トライアウト2025〜挑め、その先へ〜」に変更になりました。
戦力外となった選手がNPBでの現役続行を目指す最後のアピールの場です。
中には、これまで支えてくれた家族や関係者に、最後のプレー姿を見せたいという思いで参加する選手もいます。
選手会主導へ変更されたことにより、今まで以上に「再挑戦」というような雰囲気が色濃くなる、形式面でも変化がある可能性があります。
11月12日のMAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島では、それぞれが自分の現在地とこれからの進路に向き合う1日になります。
結果がどうなっても、この日を経て次のステップへ進んでいく。
それが合同トライアウトの役割であり、ここへ参加した皆さんが次のステージへのいいきっかけになることを祈っています。
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