世界陸上男子マラソンで前代未聞のフライング 種目・距離別で異なる陸上のフライングルール

男子マラソンで起きた前代未聞のフライング

元アスリートという大きなくくりで、今絶賛進行中の世界陸上について面白いことが起きたので、それをきっかけに記事を書いてみようと思います。

世界陸上の男子マラソンで、ケニアの選手がフライングを犯し、再スタートという珍しい事象が発生しました。
短距離では一発失格で、今回の世界陸上でも男子100m決勝で前回のブタペストで銀メダルの選手が失格になりました。
このマラソンでのフライングにおいては失格者はいませんでしたが、短距離でたまに見かけるフライングは今まで頑張ってきた成果を発揮することもできずに引き下がらなくてはいけないので、私はこの瞬間がとても心が痛みます。
今回はマラソンで発生した珍しいフライングで失格が出なかったことから、フライングってどんなルールなんだろうと疑問に思い調べてみました。

そもそも42.195㎞のマラソンでフライングって・・・とも思いますが、今回の男子マラソンは最後写真判定でしたので、やっぱりみんな少しでも早くスタートしたいものなのですかね笑

では、マラソンを含めた種目ごとに、フライングのルールの違いについてご紹介します。


マラソンのフライングルール

まず、今回のマラソンのルールです。

  • マラソンはスタンディングスタート(立った姿勢からスタート)。
  • 号砲が鳴る前にスタートラインを越えた場合はフライング。
  • 基本は「再スタート」、すぐにレースがやり直される。
  • 悪質なケースや繰り返しの場合は失格となる可能性もある。

短距離のように「一発失格」にはなりませんが、再スタートによる集中力の乱れやタイミングのズレは、42.195kmを走る選手にとって大きなストレスです。


種目・距離別のフライングルールまとめ

種目スタート方法フライングの判定罰則
短距離(100m〜400m、リレー、ハードル)スターティングブロック使用0.100秒未満の反応は不可能 → 自動フライング一発失格(2010年以降)
中距離(800m・1500m)スタンディング号砲前に前進したらフライング再スタート、悪質なら失格
長距離(5000m・10000m・マラソン)集団スタート号砲前にライン越え原則再スタート、繰り返しや悪質は失格
障害物(3000mSC)集団スタート長距離と同じ再スタート
室内短距離(60mなど)スタブロ使用短距離と同じ一発失格
フィールド競技(跳躍・投てき)助走あり合図前に助走開始で反則やり直し or 失格

短距離のフライングによる失格ルールはこれまでに何度か改定されてきています。
同じ選手が2回目のフライングで失格から、同じレースの中で2回目のフライングをした選手が失格、今ではレースの中で1回目のフライングから失格となりました。

このようなルールになった理由は明確にされていませんが、競技時間の短縮と考えられています。

今回調べていて、「フィールド競技にもフライングのルールってあるのか」と新しい発見でした。

短距離とマラソンの違い

  • 短距離はスターティングブロックにセンサーを設置し、反応時間を0.001秒単位で測定。0.100秒未満は「人間には不可能」とされ、自動的にフライング判定となります。
  • マラソンや長距離はセンサーを使わず、審判の目視やライン越えで判断。人数が多い分、全体を止めて再スタートになることが多いです。

この違いは「競技特性」によるもの。短距離はスタートの瞬発力が勝敗を大きく左右するためルールが厳格化され、長距離は持久力勝負のため比較的寛容に扱われています。


まとめ

  • 陸上競技におけるフライングは、短距離だけでなくマラソンを含む長距離でも発生する。
  • 種目ごとにルールや罰則が異なり、短距離は一発失格、長距離は再スタートが基本。
  • フライングルールを知ると、スタートの瞬間に隠された緊張感をより楽しめる。

スタート前のあの静寂は本当にしびれますよね。
今回の調べから、さらにあのスタート前の数秒間の静寂の緊張感が増すことでしょう。

次に観戦するときは、ぜひ「スタート前の数秒間」に注目してみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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